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最高裁判所第一小法廷 昭和23年(オ)120号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(要旨)

所有権にもとずく家屋明渡の訴において、原告の所有権の存否又は登記の有無は、職権調査事項ではない。

(説明)

被上告人(原告、被控訴人)は上告人(被告、控訴人)両名に対し、所有権にもとずき家屋の明渡を求めたに対し、上告人等は被上告人の所有権は認めたが、賃貸借及び転貸借の存続を理由として争い、一審は被上告人の勝訴となつた。ところが、二審の口頭弁論終結後上告人等は、被上告人は係争家屋の所有者ではない旨主張して弁論の再開を申請し――自白を撤回したいとの趣旨であろう――疏明として添附した登記簿謄本により、右家屋の所有名義人は被上告人ではなく第三者であることが明かにされたが、原審は右申請を容れずに控訴を棄却した。

上告理由は、被上告人は係争家屋の所有権を有せず少くとも登記簿上の名義人でないため上告人等に所有権を対抗しえない以上、本訴の当事者適格を欠き又は訴の利益を有しない。然るに原審が右事実の疏明あるにかかわらず、訴を不適法として却下しなかつたのは違法だ、というにあつた。

最高裁判所は、(1)所有権にもとずく家屋明渡の訴において、原告がその家屋の真の所有者か否か又はその所有権を被告に対抗しうるか否かは、請求権自体の存否の問題すなわち本案の問題で、当事者適格又は訴の利益の問題ではないから、職権調査事項には属しない。(2)被上告人が本件家屋の所有者であることは一審以来当事者間に争ないばかりでなく、被上告人の所有権を否定する所論は結局原審の事実認定を非難するに帰する。との理で上告を棄却した。

右(1)は異論のないところであり、(2)も、原審が上告人等の自白撤回のための弁論再開申請に応じなかつた措置が適法である限り(そしてそれは適法であつた)、もとより当然であろう。 (以上靑山調査官)

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